「天然」「自然」「平飼い」――。食卓に欠かせない卵のパッケージに書かれている表示だが、いざスーパーで選ぼうとすると紛らわしい。7月1日からそんなあいまいな卵の表示に歯止めがかかり、一定の基準を満たした卵は「公正マーク」が付いて流通することになった。改善されたといえるが、それでも課題があるようだ。
◇商品名、賞味期限、栄養強化などに自主基準
ブランド卵は全国に約1200銘柄(日本養鶏協会)もあり、「天然卵」「高原の卵」など紛らわしい表示が多かった。このため、鶏卵生産者や流通業者でつくる「鶏卵公正取引協議会」(約200業者加盟)は昨年から消費者に分かりやすい表示を検討してきた。
その結果、(1)ネーミング(2)賞味期限の日付(3)栄養強化(4)飼育法(5)安全・衛生管理――などの自主基準を定めたうえで、7月1日から基準を満たした卵に有効期間2年の公正マークを認めることにした。
基準では「天然」「自然」の表示は禁止される。ただ、ビタミンEなどを添加した栄養強化卵は、添加増加分を満たせば栄養強化卵と表示できる。「森のたまご」「森林育ち」など自然をイメージした表現は結論が出なかった。
一方、議論になっていた賞味期限は「産卵日から21日以内」と統一された。これまではいったん冷蔵倉庫で数日間保管し、倉庫から出荷した日を起点に賞味期限を設定するケースもあり、日付だけではどれが新鮮か分からなかった。「産卵日から28日以内」とするEU(欧州連合)基準より厳しく「マークを目安により新鮮な卵が選べるようになる」(大手鶏卵業者)という。
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マーク交付を申請した業者は加盟約200社のうち十数社(18日現在)。マークなしの卵は基準に縛られないが、著しく誤解を招く表示は指導の対象となる。阿南久・全国消費者団体連絡会(消団連)事務局長は「マークがもっと増える必要がある。未加盟の業者も基準に準じた表示をしてほしい」と呼びかける。
よく見られる「平飼い」「放し飼い」の表示も議論は続いている。基準では「平飼い」を「鶏舎内または屋外で鶏が床面か地面で自由に運動できる」と規定、「放し飼い」は「平飼いのうち日中の過半を屋外で飼育」と決めた。だが、あいまいさは残る。
鳥インフルエンザ防止などを目的にカラスやネコ、ネズミが侵入しないよう鶏舎や鶏の運動場の周囲に網や屋根を設けているケースもある。それは屋外か屋内か――。
欧米並みに運動場も備えた飼育法を導入している丸一養鶏場(埼玉県)の一柳憲隆専務は「自然や天然の表現を認めず、栄養分の量を規定した点で大きく前進した」と評価しながらも「平飼いや放し飼いといってもピンからキリまである」と指摘する。そのうえで「西欧では動物福祉の観点から1羽あたりの広さまで規定している」とより具体的な規定の必要性を強調する。
また、自主基準を決めたのは生産者や流通業者の代表で、第三者的立場の消費者や学識経験者の意見は反映されていない。協議会では「2年後をめどにさらに基準を厳しくしていきたい」としているが、消団連の阿南事務局長は「外からは基準の根拠が分からないので、消費者代表も基準作りに参加させてほしい」と求めている。
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■「栄養強化卵」と表示できる栄養成分の増加量
ビタミンC 12
ビタミンE 1.2
亜鉛 1.05
鉄 1.13
ヨウ素 0.24
葉酸 0.03
DHA 60
(単位はミリグラム、卵100グラムあたりの増加量)
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20100620ddm013100039000c.html -gooニュース

