新型の豚インフルエンザによる日本の死亡率が世界的に極めて低かったのは、48時間以内に治療を受けた患者が多かったためだ。 けいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師らのチームが国内で1千人の小児患者を分析してこう結論づけた。 3日から香港で開かれるインフル対策の国際会議で発表する。
昨年6月から今年1月までに国内25病院に入院した小児の1千人分(平均年齢6.4歳)を調べた。 亡くなったのは1人。 症状は65%が息ができなくなるなどの呼吸器障害で、26%が脳症やけいれんなどの神経に障害が出るものだった。 9%は脱水症状。
ほぼ全員の984人が抗ウイルス薬を飲んでいた。 症状が出てから抗ウイルス薬を飲むまでの時間がわかった667人では、48時間以内に薬を飲んでいたのは89%だった。 このうち29%が12時間以内、38%が12~24時間以内と、さらに早い時期に飲んでいた。
米国では48時間以内は39~51%にとどまった。 抗ウイルス薬を飲んでいた小児の割合自体も75~79%と低かった。 アルゼンチンは48時間以内が12~13%だった。
子どもから大人までの全体の死者数は米国が推計約1万2千人に対し日本は約200人と少ない。 厚生労働省によると、人口10万人あたりの死亡率は、米国3.96(推計)、カナダ1.32、メキシコ1.05。 日本0.16だった。
菅谷さんは「医療水準が変わらない米国などでは薬を飲み始めるのが発症から何日もたってからという例が少なくない。 死亡率の差は薬を飲む時期が早かったとしか考えられない」と話している。(熊井洋美)
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