犯罪や事故、災害から子供と高齢者を守るための街づくりを目指す「だいじょうぶ」キャンペーン(主催・同キャンペーン実行委員会)の取り組みが全国各地へ広がりをみせている。紙芝居やすごろくなど“楽しみながら学ぶ”子供向けの啓発教材などの充実に加え、アスリートを招いたスポーツ交流事業や、身近なリスクマネジメントについて学ぶ危機管理学セミナー、犯罪の機会を未然に防ぐ「地域安全マップ」など、それぞれの取り組みをリポートする。
◆スポーツ交流
◇仲間とともに夢を アスリートの教えに子供たち感謝の作文
11月13日、昨年の岩手・宮城内陸地震で被災した岩手県・胆沢愛宕小学校児童65人に、元気を送ろうと、元日本代表アスリートとのスポーツ交流事業を開催した。
バスケットボールの加藤貴子さん、バレーボールの斎藤信治さん、ラグビーの相沢雅晴さんが参加した交流事業は、胆沢愛宕小鼓笛隊による歓迎の演奏で始まった。加藤さんと斎藤さんによる「夢と仲間の大切さ」を語るドリームミーティング、相沢さんも加わったスポーツゲーム大会に、全校児童が参加した。終了後は、選手たちが見えなくなるまで走って見送る子供たちの姿が印象的であった。
子供たちは、この日の感謝の気持ちをつづった作文集を制作、キャンペーン事務局を通じて、加藤さんらへ届けられた。
今回のスポーツ交流事業は、本年度から取り組む公募事業の一環で、東京都・根津小と愛知県幸田町の地域安全マップ教室に続き、胆沢愛宕小で3回目。今後も、子供たちに夢と仲間の大切さを伝えるスポーツ交流事業や地域安全マップ教室などを、全国各地で開催し、「だいじょうぶ」の輪を広げていく。
◆地域安全マップ
◇防犯意識共有、大切さを確認 3度目の指導員全国大会に100人
犯罪に対する危険を予測して被害防止のために地域単位で地図を作製する「地域安全マップ指導員全国大会」(立正大学文学部主催、「だいじょうぶ」キャンペーン実行委員会後援)が12月9日、東京都内の立正大石橋湛山記念講堂で開かれた。
「地域安全マップ」は、犯罪の起こりやすい場所を学ぶことによって、犯罪の機会を未然に防ぐことを目的としている。小宮信夫・同大教授が「犯罪機会論」をもとに考案した。02年以降、全国に広がりを見せ、指導員の全国大会は今回で3回目を数え、約100人の聴衆が参加した。
冒頭、大阪教育大付属池田小で起きた乱入殺傷事件(01年、大阪府池田市)の被害者遺族の本郷紀宏さんが特別講演を行った。各地で犯罪被害者を支援する講演を続けている本郷さんは当時の様子を振り返って「どんなに我が子を愛していても命を守ってやれなかった」と話し、聴衆に「犯罪の機会を与えないため、地域ぐるみの予防策が何より必要。悲しい事件の教訓を生かして」と訴えた。
その後、各地でマップづくりの啓発に取り組む代表者によるパネルディスカッションが行われた。パネリストは、岡山県安全・安心まちづくり推進室の藤井朗・副参事▽福島県警本部子どもの安全安心対策室の引地敬・室長▽横浜市立鉄(くろがね)小の前田隆・校長▽東京青年会議所の田口武志・政治行政政策副委員長▽群馬県防犯教育ボランティアの萩原道明さん▽シンガー・ソングライターの普天間かおりさん▽立正大学生で犯罪社会学研究会長の大内美子さん--の7人。
ラジオ福島アナウンサー、深野健司さんのコーディネートの下、それぞれが取り組んだ成果や課題などを報告しながら意見を交換。学校や家庭、近隣の地域コミュニティーに加え、行政や警察が一体となって意識を共有することの大切さなどを確認した。普天間さんのミニコンサート、学生による防犯サンバの実演も行われた。
◆危機管理学セミナー
◇事故防止にはインフラ重要--千葉科学大・嶋村教授ら講演
時節をとらえ、身近な危機管理をテーマに社会人を対象とした「危機管理学セミナー(共催千葉科学大学)」が、7月に続き10月14日、11月11日の2回にわたり開催された。10月は、「交通事故防止と被害の軽減」と題し、嶋村宗正千葉科学大危機管理学部教授が講演。交通事故の防止では、インフラを整備するとともに、運転者の行動を制限する工夫と人間の本質的なエラーを減らす工夫の必要性を訴えた。11月11日には、「食品・医薬品における危機管理」と題した本年度最後のセミナーを、薬学部教授の安田一郎氏を招き開催した。安田教授は、薬物が身近な存在になっていること、健康食品への過度の期待に対して警告を発した。そして、習慣性・依存性が事故を及ぼすことの危険性を訴えた。
◇活動通じ深まる信頼--東京海上日動・岡山支店の川端支店長
子供の安全・安心は地域の連携から--。地域貢献を柱として社会活動を展開する東京海上日動火災保険岡山支店の川端俊一支店長に話を聞いた。
--支店として地域貢献活動に取り組んだきっかけを教えてください。
社員と代理店で運営する岡山支店のハートフル委員会は04年6月に発足しました。2カ月に1度の割合で議論を重ね、地球環境保護について学ぶ「みどりの授業」や、乳がん検診普及を呼びかける「ピンクリボン運動」の街頭キャンペーン、花火大会の後の清掃や支店・支社周辺の清掃等の活動を行っています。
岡山県の「犯罪のない安全・安心まちづくり条例」制定(06年)を機に、全県で約250の代理店から「こども110番の家」の賛同を頂きました。オリジナルのステッカーなどを配布して活用しています。そして、昨年12月の「『だいじょうぶ』キャンペーンin岡山」で行われた事業を通じて得たものを基に、「子どもの安全・安心」を今年度の柱に据えたのです。県の主催する地域安全マップ指導者養成講座に社員と代理店が参加し、「子どもの安全・安心見守り宣言」に発展。岡山県の安全・安心まちづくり推進室からも運営をサポートする当社ボランティアの意義を感じていただけたと思います。
--企業活動の一方、社員や代理店従業員のボランティア派遣とのかねあいはいかがでしたか。
地域安全マップや、みどりの授業など、平日の日中に行われるため、ボランティアに参加する社員や代理店従業員の職場の理解が欠かせません。この活動が支店の大きな柱であることを社員全員と代理店に説明し理解を得るようにしています。当社と同じ視線で取り組んでいただける代理店は誇りです。地域貢献はボランティア精神であり、もともと企業業績に直接的な効果を期待するものではありませんが、参加者が地域への貢献の意義を学び、結果として地域のみなさんから厚い信頼を得られるものと考えます。
--周囲の反応や手ごたえはありますか。
まずビジネスパートナーである代理店とのパートナーシップが強くなりました。ともに活動を行うことで強い信頼関係ができていると感じます。また、社員の「人間力向上」が図れているのでは。当社は、地球環境保護や人権尊重、コンプライアンス(法令順守)、社会貢献などの社会的な責任を果たし、広く地域社会に貢献することが理念です。これからも行政や地域社会と連携して活動を続けたいと思います。
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【主催】「だいじょうぶ」キャンペーン実行委員会
【共催】全国防犯協会連合会、全日本交通安全協会、原子力安全・保安院、日本消防協会、全国防災協会、日本河川協会、日本道路協会、都市計画協会、全国警備業協会、日刊建設工業新聞社、ラジオ福島、毎日新聞社
【後援】内閣府、警察庁、総務省、文部科学省、経済産業省、国土交通省、消防庁、海上保安庁、東京都、NHK
【協賛】NTTデータ、NTTドコモ、国際警備、JR東日本、セコム、セントラル警備保障、千葉科学大学、東急グループ、東京海上日動、トヨタ、フクダ電子、みずほフィナンシャルグループ、三井不動産、明治安田生命、UR都市機構
【協力】地域安全マップ協会、プラス・アーツ、MIPスポーツプロジェクト、情報セキュリティ研究所
http://mainichi.jp/life/edu/news/20091224ddm010100086000c.html-毎日jp