携帯電話の主要3キャリアが「メール無料」の新料金プランを相次いで投入した。無料でメールが使い放題になり、かつ月々の基本料が安い魅力的なプランだ。ただ、通話料が高いことなどのマイナスポイントもある。加入すると得なのかを検証した。
【詳細画像または表】
各キャリアが「メール無料プラン」を矢継ぎ早に投入
メールが無料で使い放題となる新料金プランを最初に投入したのはauだ。「ガンガンメール」という名称で、11月9日から提供している。対抗策として、NTTドコモは同様の料金プラン「メール使いホーダイ」を、ソフトバンクは「シンプルオレンジE」を矢継ぎ早に投入した。
これらのメール無料プランは、今までの料金プランとは大きく仕組みが異なる。本当に得になるのか、よくチェックする必要がある。
メール無料プランの特徴をまとめたが下の表だ(各キャリアともほぼ共通)。
■メールが無料で使い放題、送信先のキャリアも問わない
・同一キャリアだけでなく、他キャリアやパソコン宛てのメールも無料
・画像や動画を添付したメールも無料
■パケット定額制がセットになっている
・最低負担額はゼロ(通常のパケット定額プランの場合は月額390円かかる)
・上限金額4410円でパケット通信が使い放題(ケータイサイトのみ利用の場合)
■基本料金は780円/月
・既存プランと比較しても、もっとも安い月額料金となる
■通話料21円/30秒と割高。無料通話分はない
・通話料は高めに設定。無料通話分は一切用意されない
1つ目の特徴は、メールが無料になる点だ。同じキャリア向けはもちろんのこと、他社ケータイやパソコンあてのメールも無料になる。容量の制限もないので、画像メールや動画メールも当然無料だ。ウィルコムは以前から実施していたが、携帯電話の大手3キャリアでは初めての試みとなる。
2つ目の違いは、パケット定額の最低負担額がゼロになることだ。通常の料金プランでパケット定額に加入すれば、パケット通信を一切使わなくても月額390円かかる。ただし、無料メールプランはパケット定額とのセットでしか加入できない。
3つ目は、基本料が抑えられていること。メール無料プランの基本料は、各社とも780円で(ローン対応コースで、基本料50%オフの割引サービスに加入した場合)、これは従来までの一般的な料金プランに比べても安い。メール中心のユーザーにとって魅力的だ。
その代わり、通話料は30秒あたり21円とかなり高めに設定されている。従来までのプランで最も高いものと同じだ。無料通信分が一切ない点もデメリットだ。わずかな通話でも料金が発生するから、電話を使う人にとってはかなりの負担となるのは確実。
各キャリアでメール無料に加入した際の料金を下の表にまとめてみた。基本的な内容はほぼ横並びで、大きな違いはない。
基本料が780円になるのは、主力となるローン対応コース(ドコモはバリューコース、auはシンプルコース)で、基本料50%オフの割引サービスに加入した場合となる。無料通信分がないこと、iモードやEZwebからのメールが無料になること、パケット定額がセットになっていることも共通している。
唯一違いがあるのはパケット料金の単価で、ドコモだけが1パケットあたり0.084円とわずかに安くなっている。従来までのパケット定額の単価に合わせたものだ。ただ、違いは1パケットあたり0.021円と非常に小さく、かつ上限いっぱいとなれば横並びだから、あまり気にする必要はない。つまり、基本的に3社とも内容は横並び、と考えてよいだろう。
では、メール無料プランに加入するメリットはどこにあるのだろうか?
「メール無料プラン」はヘビーユーザーには関係なし!
最大の魅力である「メールが無料で使い放題」の内容をチェックしよう。その前に、メール送受信の料金がどのくらいかかっているのかを見直してみたい。メール料金の目安をまとめたのが下の表だ。ドコモでの目安だが、他社でもほぼ同じ考えてよい。
メールの送受信で発生するパケット料金は、ブラウザーの利用と比べると圧倒的に安い。文字だけのメールであれば、1000文字書いたとしても約3~5円で済む(いずれもパケット定額加入時。以下同じ)。デコメールで画像満載の50KBテンプレートを使ったとしても、約54~60円である。画像や動画を添付すると料金は高くなるが、100KB程度の画像を添付しても約96~113円とそれほど高くない。
文字メールを200通、10KBの画像付きメールを50通送ると考えてシミュレーションしても、1カ月でかかるメール料金は1000円程度だ。画像メールをあまり使わない人なら、もっと少なくなるだろう。つまり、パケット料金に占めるメールの割合はかなり小さく、Webサイトの表示、音楽や動画のダウンロード、ゲームなどの方がはるかに大きいのだ。
パケット定額に加入しているヘビーユーザーならば、ほぼ毎月のように上限の4410円に達しているはずだ。そうなれば、あとはメールをいくら使っても追加料金は発生しないので、無料と同じことになるわけだ。パケット定額が上限いっぱいのユーザーにとっては、今回のメール無料プランはあまり意味がないと考えてよい。
もう1つ、メール無料プランには「パケット定額の最低負担額がゼロ」という特徴がある。だが、通常のパケット定額でも最低負担額は390円と少額で、ちょっとでもケータイサイトを見れば軽くオーバーしてしまう金額だ。
これらを総合的にまとめると、「メール無料プラン」といううたい文句ながら、実際はメールの送受信が無料になるメリットはとても小さいことが分かる。
通話料が安くなるのは、1カ月の通話が5分未満のメール偏重ユーザーのみ
メール無料プランに変更して得かどうかを見極めるのに重要なのは、月々の基本使用料と通話料だ。「他のプランよりも安い月額780円」「ただし無料通話はナシ」「通話料も高め」というファクターが、どれだけ影響するのだろうか?
基本料+通話料を従来までのプランと比較したのが下のグラフだ。NTTドコモのバリュープランの例ではあるが、auのシンプルコースとソフトバンクのシンプルオレンジEプランもほぼ同じ料金体系なので参考にしてほしい。
グラフを見て一目瞭然だが、メール無料の「タイプシンプル バリュー」が安くなるのは、1カ月の通話が5分未満の人のみ。1カ月で5分以上通話するならば、従来までのタイプSSバリューの方が通話料が安くなる。
1カ月分の通話時間がわずか5分に満たないというのは、事実上「通話しない」という人に限られるだろう。基本的にメールだけを使い、音声電話は一切しないというスタイルが該当する。ちょっとでも音声電話を使う人は、1カ月で5分を超えないことはないだろう。
つまり、メール無料プランは「通話をまったくしない人向け」と考えられる。電話ではなく、メールだけで連絡を取り合う人に有利な料金プランといえるだろう。
ソフトバンクでも、オレンジプランで考える場合は同様だ。オレンジプランは、auのプランとそっくりの料金体系なので、auでの考え方と同じ。新しいメール無料プランが得になるのは「通話がほぼゼロの人」のみということになる。
では、ホワイトプランと比較するとどうだろうか? ホワイトプランは月額980円で、メール無料の「シンプルオレンジE」は月額780円。両者には200円の差がある(通話料は同じ)。だが、ホワイトプランならば、ソフトバンク同士の通話が無料で(夜間を除く)、メールはいつでもソフトバンク同士が無料、というメリットがある。条件から考えるとホワイトプランの方が有利なので、あえて「シンプルオレンジE」に変更する意味はない。
auなら「ガンガンメール」と「指定通話定額」とのセットが最強だ!
ただ、auでは「指定通話定額」と組み合わせた場合に最強になる。指定通話定額は、月額390円で最大3件までauケータイに対して24時間通話無料となるものだ。時間帯を問わず、家族以外でも音声電話が無料になるのは、とても魅力的だ。
ライトユーザーがメール無料の「ガンガンメール」と「指定通話定額」を組み合わせたケースを考えてみよう。基本料は780円、指定通話定額は390円、EZ WINコースの315円を合わせ、1カ月にかかる最低料金は1485円となる。
わずか1500円以下の出費で、メールが無料で使い放題、auケータイ3件まで通話し放題のケータイが持てるわけだ。メールを中心に使いながらも、auの友人とは料金を気にせずガンガン通話できる。ケータイサイトを楽しんだ場合でも、パケット通信の上限料金があるので安心できる。パケット通信しまくった場合でも、図のように1カ月最大5985円で済む。
3件のauケータイ以外には基本的に一切電話をしない、という条件は付くものの、それをクリアできれば最